地域ICT・マネジメント概説 


地域ICT・マネジメント概説
Information and Communication Technology Management
香川大学大学院地域マネジメント研究科; 2010年度前期; 応用科目; 1・2年次 ; 2単位
板倉宏昭(087-832-1872; itakura@gsm.kagawa-u.ac.jp)、井原理代、冨永章、宮川繁、松尾豊、真鍋厚、
今井慈郎、江口夏郎、小笠原豊道、金西計英、藤原善丞、渡辺弘之、林敏浩、鈴木正信、山下省三


■授業の目的と概要

 少子高齢化などの社会環境、島嶼部や中山間地域が多くある自然環境などが存在する四国地域において
ICT(Information and Communication Technology)の利活用は必要不可欠である。
そこで本講義では自立的発展に向けて地域再生の現状と課題について理論と実践の両面から構成された講義を行う。
 遠隔講義システムを活用により、本学に来ることが難しい実務家教員を含めた事例研究を行う。
また社会人学生が多く学んでいる本研究科において学生が現場での課題を教員とのリアルタイムかつ双方向の
コミュニケーションを通じて解決を図る上でも有効な遠隔講義システム及びe-Learningシステムを活用し、授業を行う。
 技術商業化と地域振興の授業では、テキサス大学オースティン校IC2研究所の事例を紹介し、四国地域での適用可能性を議論する。
 また、マサチューセッツ工科大学(MIT)教授によるオープンコースウェアー(OCW)の動向についての講義を行う。


■前提科目・関連科目
前提科目:特になし
関連科目:特になし

■授業の方法
配布する資料を中心に、解説や事例紹介、ケース研究などを行います。
外部から実務家を招いてICTの実際について解説を受け、各自がレポートを作成することとなります。

■成績評価
レポート:50%
授業への貢献度:50%

■レポート
課題:講師の先生の指示に従ってください。指示が特にない場合は、授業で学んだことを要約した上で、自分の所属する組織に適用して述べなさい。
提出期限:講義の翌週の火曜日 AM9:30
提出回数:15回の講義のうち5回以上を選んでレポートを提出すること。
提出先:メールの添付ファイルで提出⇒office@italabo.com(非常勤講師の先生方には板倉研究室から一括してお送りします)
長さ:A4  2枚以上
MBA学生⇒添付ファイル名:ファイル名に学籍番号を付すこと。(例: 07S312)
一般受講者⇒添付ファイル名:ファイル名に<ICT氏名>を付すこと。(例: ICT地域太郎)

■参考文献
参考文献は、随時指定する


■会場

香川会場:香川大学 幸町キャンパス
徳島会場:徳島大学 常三島キャンパス
(共通教育6号館大学開放実践センター2階 インテリジェントラボスタジオ)


■授業計画


第1回 4月13日(火)18:20~19:50 
講師:山下 省三(㈱アイム マルチメディア部 マネージャー)
テーマ:「拡大する地方企業の通信販売とWEBマーケティング」
 日本におけるWEBマーケティングの変遷、WEBマーケティングの現状(各種WEB広告)について、事例を用いて具体的に説明する。最新版WEBマーケティングについては、広まって来るであろう最新のWEB広告について解説する。

第2回 4月20日(火)18:20~19:50 
講師:金西 計英(徳島大学 大学開放実践センター 教授)
テーマ:「OSSを用いたeラーニングのビジネスモデル」
 インターネットに代表されるICTは、我々の日常の一部となって久しい。ICTの影響は、高等教育へと及んでいる。現在の高等教育の現場でeラーニングがどのように運用されているのか、その問題点や効果について考える。

第3回 4月27日(火)18:20~19:50 
講師:小笠原 豊道(四国生産性本部 コンサルティング部 課長)
テーマ:「ICT時代の人材開発設計」
 企業の経営目標を実現し、高い業績をあげるためには、人材の開発が欠かせない。しかし、日本の企業では人材開発体系の設計で困っている教育担当者が多いのが現状である。
そこで、この講義では、ICT時代に即した人材開発設計について、インストラクショナルデザインの観点で考察する。

第4回 5月11日(火)18:20~19:50 
講師:渡辺 弘之(マイクロソフト株式会社 デベロッパー&プラットフォーム統括本部
            アカデミックテクノロジー推進部 アカデミックエバンジェリスト)
テーマ:マイクロソフトの歴史を振り返りながら、「3スクリーン + クラウド」というマイクロソフトのビジョンを紹介し、今後(10年程度)のマイクロソフトのテクノロジーの動向を探る。
組み込み機器から、クライアントPC、サーバー、クラウドに至るマイクロソフトのテクノロジーの概要を紹介する。

第5回 5月18日(火)18:20~19:50 
講師:鈴木 正信(香川大学総合情報センター 特任助教)
テーマ:「ICTを活用した歴史研究・教育の現状と課題」
 近年、歴史学や歴史教育の分野でもICTの活用は不可欠となっている。本講座では、大学・研究機関等が開発した歴史データベースを活用した最先端の研究を紹介する。また、四国の8大学が連携して進めているeラーニングを取り入れた歴史教育を紹介する。

第6回 5月25日(火)18:20~19:50 
講師:今井 慈郎(香川大学総合情報センター 教授)
テーマ:「インターネットで地方が変わる?(or 地方を変える!)」
 参考書「ネットワーク化が生み出す地域力」(板倉宏昭他著)を基に、特に第5章を取り上げ、コンピュータとネットワークが融合するマルチメディア情報ネットワーク概要講述とインターネットによる地域再生手法の議論を行いたい。

第7回 6月1日(火)18:20~19:50 
講師:板倉 宏昭(香川大学大学院 地域マネジメント研究科)
テーマ:「ICT時代の組織戦略」
 ITをもちいた情報化と企業の競争優位の関係、特にデジタル化時代の本質について考察する。また地場産業の再生のケーススタディとして、今治タオル産業と無茶々園のトレーサビリティについて取り扱う。

第8回 6月8日(火)18:20~19:50 
講師:江口 夏郎(㈱ライトワークス 代表取締役社長)
テーマ:「ITによる児童教育の挑戦と限界」
 学習塾業界にもITの活用が広がっている。大手塾を中心にさまざまなサービスが提供されている。この分野でのライトワークスの取り組みを紹介するとともに、今後の課題や挑戦、その限界などについて考えていく。

第9回 6月15日(火)18:20~19:50 
講師:林 敏浩(香川大学総合情報センター 准教授)
テーマ:「e-Knowledgeコンソーシアム四国:e-Learningによる四国の大学連携」
 e-Knowledgeコンソーシアム四国は、四国内の大学が連携して、『四国の知』をe-Learningコンテンツとして集積し、四国の地域活性化を先導できる人材育成教育プログラムを開発・実施する。
本講義では、e-Knowledgeコンソーシアム四国の各種取り組みについて説明する。

第10回 6月22日(火)18:20~19:50 
講師:藤原 善丞(MTC代表)
テーマ:「技術商業化を通じた地域振興」
 テキサス大学オースティン校IC2研究所の事例(Global Commercialization Groupが行っているTechBAプログラム)を簡単に紹介し、クラスの後半では高松や四国地区で似たようなことができないか(メリットはあるかとか、阻害要因、促進要因は何か)などについて全員参加でディスカッションしたい。

第11回 6月29日(火)18:20~19:50 
講師:冨永 章(PMラボラトリー代表 元日本IBM専務取締役、前東京大学特任教授)
テーマ:「サービス時代のプロジェクトマネジメント力」
 ICTが現代のビジネスに与えている変化が、今後のプロフェッショナルに要求しているものは何か。強い動機をもち高い目標を達成するために、この半世紀追求され発展してきたのがモダンPMである。その要点と力をつけるための考え方を知る。

第12回 7月6日(火)18:20~19:50 
講師:真鍋 厚(スタンシステム㈱専務取締役、前日本IBM株式会社 四国支店長)
テーマ:「地域活性化のためのICTの活用について」
 情報通信技術の効果的な活用は、個人、企業他に発展、成長をもたらす。同様に地域活性化のためにICTの活用は有効な手段と考えられる。
ICTの技術動向、最新の活用事例を紹介し、四国地域の現状と課題について考察し、四国地域活性化のためのICT活用方法について提言する。

第13回 7月13日(火)18:20~19:50 
講師:宮川 繁(マサチューセッツ工科大学 教授)
 オープンコースウェアー(OCW)は、2002年にアメリカのマサチューセッツ工科大学(MIT)で始まり、7年後の現在、世界中に広がっている。MITは、すでに全学の学部•大学院のほぼ全ての科目1,800以上の教材を打ち上げ、毎月、世界中から120万人ほどの訪問者にアクセスされている(ocw.mit.edu)。グローバル•オープンコースウェアー•コンソーシアム(GOCWC; www.ocwconsortium.org)も立ち上がり、 世界の200大学が既に各大学の教材を無料で公開し始めている。GOCWCの中で、日本OCWコンソーシアムの活躍が目立つ(www.jocw.jp)。2004年に6大学で始まり(阪大、京大、慶應、東工大、東大、早稲田)、現在、20以上の大学がメンバーになっている。宮川繁氏は2000年にOCWを提案したMITグループの一員であった(http://www.youtube.com/watch?v=2kb7x4zRK2k)。

第14回 7月20日(火)18:20~19:50 
講師:松尾 豊(東京大学大学院工学研究科 准教授)
テーマ:「ソーシャルメディアの活用と人工知能」
 ブログやtwitterなどのソーシャルメディアが広がっている。
大量のソーシャルメディアを収集することでさまざまな社会現象を分析・予測することが可能である。
本講義では、ソーシャルメディアと人工知能技術を活用することで可能になる新しい世界を紹介する。

第15回 8月3日(火)18:20~19:50 
講師:井原 理代(NHK経営委員・香川大学名誉教授)
テーマ:「公共放送の役割と地域貢献」
 放送・通信融合時代に入り、公共放送の役割が改めて問われるなか、その役割と新たなサービスを考察するとともに、地域における、それぞれの地域に密着した多様なサービスの展開を紹介し、地域貢献のあり方を考えたい。



※外部講師の都合により、順番は変更することがあります。



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