地域マネジメント研究科は、2004年4月に中国•四国地域で初めて設立された経営系専門職大学院(ビジネススクール)であり、このほど10周年を迎えました。理論と実践の融合を通じて、企業や行政、NPOなど私たちの住む地域の様々な場で中核となり、地域活性化に貢献するリーダーの養成を目的としています。標準修業年限の2年で経営修士(専門職)= MBAを与えます。2013年度までに300人余りが修了し、四国内外で活躍しています。
専任教員は、経営・会計領域のみならず、地域科学・行政分野の優れた研究業績や実務経験を有する者からなります。非常勤教員は、行政関係では香川県知事や高松市長をはじめ、四国財務局長や四国経済産業局長等、国の出先官庁や自治体トップが教鞭をとります。経済関係では、四国を代表する企業経営者や全国企業の支店長、野村證券などから、また地域おこしで活躍するカリスマ的リーダーなど多彩な講師を迎え、教育プログラムの充実を図っています。
学生諸氏の多くは、地元の企業や自治体で仕事をしながら熱心に学ぶ社会人学生です。このため、平日(月曜~金曜)は夜間に開講するほか、土曜にも授業科目を設定しています。また、夏季休業期間にも、複数の集中講義を受けることができます。このため、仕事を続けながら多くの学生が勉学とうまくバランスを取っています。また学部を卒業したばかりの方や、定年退職後にもう一度学びたいという方々にも広く門戸を開いています。■第1時限/18時20分~19時50分■第2時限/20時00分~21時30分
いま地域で求められているのは、民間企業と行政、NPOなど異なった立場にある組織の連携です。もっとも日常の業務のなかでは、異業種や異分野の人々と顔見知りになる機会が意外に少ないのが現実です。本研究科では、学生諸氏が学びの場を通じて志を同じくし、世代を越えた人的ネットワークが形成されます。こうした貴重な絆は、通常の講義でのグループごとのディスカッションをはじめ、1年次に行われる学生主催のシンポジウム、夏季合宿、グループに分かれてのプロジェクト研究など、多彩な交流の機会が教育プログラムにあらかじめ組み込まれているからです。
専任教員1人あたりの学生数は、1学年あたり約3人です。このため、学生ひとりひとりの問題意識や解決したいテーマに応じ、きめ細やかな教育指導が可能となっています。また、専任教員があらかじめ決められた学生諸氏に対し、履修登録や研究について相談を受けるアカデミック・アドバイザー制度も設けています。このため、入学時代から学生諸氏の不安を解消し、ニーズに沿った指導や提案を行うことができる体制が設けられています。また本研究科の教育の仕組みの特徴は、ひとりの教員が研究室を構え、学生諸氏が所属する従来の大学院スタイルではなく、複数名の教員がグループとなって教育に知恵を出し合う点にあります。
本研究科では勉学と研究の仕上げとして、2年次に仕事上や地域に関する課題の解決をめざす「プロジェクト研究」に取り組みます。プロジェクト研究には大別すると、理論を基礎としながら実態の課題解決とを接合する文字通りの「研究」と、新規事業やマーケティング手法等に関する「ビジネス・プラス」の策定があります。年度末には、このプロジェクト研究の成果を地域社会に還元するため、一般に向けた報告会を開催しています。また研究内容の詳細は、研究科独自の情報誌にも掲載します。大学内の閉じた世界でなく、広く四国内外の地域社会に研究成果を発信する点に特徴があります。
高い志を持った仲間と供に学ぶことは大変刺激的。
Q.香川大学ビジネススクールへ入学した動機と目的を教えてください。
A.大学を卒業後、15年近く同じ会社で勤務をし、上司や部下、同僚にも恵まれ仕事へのやりがいも感じておりました。しかし、ふと我に返ったときに日々の業務に忙殺され、長期的な視点や本質的なことを見失っているのではと思い、もう一度しっかりと学び直すことを目的に入学いたしました。
Q.香川大学ビジネススクールの魅力を教えてください。
A.年代、性別、職種、国籍を問わず、様々な経験を積み重ねた人たちが高い志を持って勉強しています。授業で知識や概念を習得することはもちろん大切ですが、ディスカッションや飲み会で、仲間の意見や考え方を知ることができ、大変刺激的です。良き仲間が得られ、自分自身にとってかけがえのない財産になることが魅力だと思います。
Q.これから入学を考えている方々へのアドバイスをお願いします。
A.仕事と大学の両立で不安を抱く方も多いと思いますが、私もその一人でした。入学してから仕事が想像以上に忙しくなり大変でしたが、それ以上に仲間とともに「学ぶことが楽しい」と感じられます。これは学生時代には思わなかったことです。社会人経験を経て、年齢を重ねた今こそ、香川大学大学院地域マネジメント科で一緒に学びませんか?
社会人だからこそ新たな専門知識の取得が必要。
Q.香川大学ビジネススクールへ入学した動機と目的を教えてください。
A.私は技術職として香川県に入庁し、様々な業務に携わる中で、地域に貢献できる公務員であるためには、複数の専門性を持つことが重要であると感じていました。このような中、仕事をしながら新たな専門的知識を取得するため、香川大学ビジネススクールに入学しました。
Q.これまでの学生生活の中で、特に印象的な授業やイベントは何でしょう。
A.香川大学ビジネススクールでは、講義中にケーススタディを行います。事例の背景を推測したり、講義で学んだ理論を適用したりしながら、職種や年齢が違う仲間と、事例を整理するため、頭をフル回転させて取り組んでいます。
Q.これから入学を考えている方々へのアドバイスをお願いします。
A.仕事と課題の締め切りが重なると、やむを得ず、睡眠時間で調整していました。仕事と学業のバランスを取りながら、計画的に取り組むことが重要であると、反省しています。
計画的に取り組めば、そこには楽しい学生生活が存在していると感じています。
多くの人々との出会いが活力に。
Q. 香川大学ビジネススクールで得たものは何ですか?
A. 実際に地域を活性化させようとする多くの人たちの活動に触れ、その熱意を感じることができたことです。毎年9月の合宿では、地域の資源を活かして強みに変える、実践の場とそこで努力する人々に接することができます。たくさんの人々に支えられて地域が成り立っているという実感を得ることができました。
Q. 香川大学ビジネススクールの魅力を教えてください。
A. やはり普段の業務や付き合いの中では出会う機会が少ない業種、年代が同期生となることでしょうか。共に学び、語り合うだけでなく、シンポジウムやグループ研究など力を合わせて成果を生み出す過程は、チームメンバーの個性が強ければ強いほど大変ですが、その分、素晴らしい経験です。
Q. これから入学を考えている方々へアドバイスを御願いします。
A. 地域マネジメント研究科では様々なテーマや視点からの授業が行われています。興味のあるものや自身の仕事に直結するものに限らず、異なる分野の授業を選択してみることをオススメします。多くの文献や資料に触れること、また異なる視点から物事を考えることは研究のテーマ設定やより深い洞察に役立つことと思います。
両立は苦労も多いが、充実した2年間。
Q. 香川大学ビジネススクールで得たものは何ですか?
A. 2年間の大学院生活によってスケジュール管理の感覚を学びました。仕事と大学院生活の両立は大変で、初めて体験するようなことも多く、本当に苦労が多かったです。しかし、時間がないからこそ、色々と予定をうまく詰め込んで、入学前よりも充実した生活が送れました。
Q. これまでの学生生活の中で、特に印象的な授業やイベントを教えてください。
A. 色々と印象深いイベントはありましたが、やはり1年生の時のシンポジウム開催は忘れられないです。初対面の同期生たちと一緒になって、会議をしたりフィールドワークをしたり、まったくの手探りの中、みんなでイベントを作り上げていったのが楽しかったです。
Q. これから入学を考えている方々へアドバイスを御願いします。
A. もし入学を悩んでいるなら、入学してみることをお勧めします。大変ですが得るものは大きいと思います。そして、せっかく地マネで2年間を過ごすなら、積極的にいろんなことに首を突っ込みましょう。大学院にはいろんな人がいて、面白いことがいっぱいあるので、講義だけで終わるのはもったいないです。
「人と巡り遭う場」であった研究科に感謝している。
「2007年4月5日」。この日は、私が香川大学大学院地域マネジメント研究科の門を叩いた日である。私はMBAと言う学位が欲しくて入学したのではない、「焼き豚P」という新規事業を立ち上げるために入学したのだ。研究科との出会いがきっかけで、世間と私を繋いだ「焼き豚P」は、いつの日か私自身となって地域のために貢献できる事業に成長した。
地盤・看板・鞄もなく、商圏こそ大きいが可能性頼みのインターネット販売中心で着手せざるを得なかったこの事業は、自らうねりや流れを作り出す事で実績を叩き出し、認知度を上げた。「実績だけが現実を作っていく」。この事を実践し、その結果、現在では大手商社と取引口座を持ち、様々な販売先で取扱いをして頂き、進物では定番商品となった。加えて、大手流通企業からデイリー商品でのPB開発の依頼を受けるまでに成長した。
研究科の学生時代からプロジェクト研究という名の下での経営会議を行い、マーケティング理論で西山良明教授から教えを請い、そして諸先輩との人的ネットワークを形成した事が、ここまで事業が成長した大きな要因だと考える。この無限に続く可能性を一つ一つ形にしてきた結果、今の私が形成されている。学んだ事は、多数あるが、それ以上に「人と巡り逢う場」であった研究科に感謝していると共に、私に関わってくれている全ての人達に感謝している。そうあの日の私は、今の私がこうなる事を知っていたのかも知れない。
(参考リンク)焼き豚P